賢く奨学金を返す
学生で奨学金を借りている人は多いと思います。
借入金ですので将来しなくてはならないので、借りすぎると大変ですよね。。。
今回は奨学金を少しでも楽に返せるように 、奨学金の制度や返済方法を述べたいと思います。
奨学金制度について
まず、奨学金はどのような制度なのでしょうか。日本学生支援機構によると、
経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資の貸与を行い、また、経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、「貸与」または「給付」する制度です。
とあります。
経済的な理由で学べないことがないよう、学生を支援する制度ですね。
奨学金は給付と貸与があり、貸与の中でも無利子の第一種奨学金と利子付の第二種奨学金があります。
第二種奨学金の利率は2020年3月時点で0.070%となっており、月50,000円、48カ月借りた人は15年かけて毎月13,400ずつ返すことになります。これだと利息分12,000円が借りた総額よりも多くなります。
いまはデフレで市場金利も低いので利息分は小さくなりますが、卒業の時に好景気になったりしたら返す総額は多くなります。
利子付の第二種奨学金は学資ローンといっていいでしょう。なるべく第二種奨学金は借りたくないですね。
ちなみに総額OO円を利率N%でX年かけて返す計算は資本回収係数という計算で求められます。
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第二種奨学金
第二種奨学金の返済は「繰上返還」がオススメです。貸与が終了した際に返済可能で、返した期間の利息はかかりません。つまり、繰上返還することで返済総額を少なくできます。
貸与中はお金をなるべく残しておき、返済が始まったらできる限りの額を繰上返済に充てると良いと思います。
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第一種奨学金
第一種奨学金には「特に優れた業績による返還免除」という制度があり、借入奨学金の全額、もしくは一部免除になります。
適用を受けるには審査があり、主観でいうと審査は厳しいものだと感じます。以下に評価基準を示します。
- 学術雑誌への掲載、表彰
- 研究が教授会で特に優れていると判断される
- 試験結果が教授会で特に優れていると判断される
- データベース、著作物が社会的に高い評価を受ける
- 専攻分野関連の競技会で高い評価を受ける etc.
学生本人の能力だけでなく、専攻の注目度や過熱具合、テーマの良し悪し、指導教員の顔の広さ、そのときの運など様々な要素が絡んでくるので、難しいです。
私自身研究のモチベーションは、この審査に合格することですが、うまくいっておらず、審査に応募できるネタもありません(涙)。
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奨学金で資産形成する
奨学金を運用してお金を増やす方法です。
これは「奨学金制度について」の趣旨に少し反している気がしますが、奨学金の用途制限は特に記載がなかったので問題ないとし、考え方を述べます。
例えば第一種奨学金、月々50,000円を24カ月借りたとします。借入金額は
50,000円 × 24カ月 =120万円
です。これをそのまま返せば当然手元には何も残りません。
しかし、借りているときに資産運用してお金を増やせば手元に残るお金ができます。
さらに返済期間も運用しながら返済していくことでより多くのお金を残せます。
いくつかシミュレーションをしたいと思います。
無利子奨学金を月50,000円を24カ月(総額120万円)借り、月8,333円で12年に渡って返還する条件で行います。また、奨学金の振り込み返還は月初め、利息の受け取りは3月末、9月末の2回でその時点での口座残高に基づいて計算するとします。源泉徴収(20.315%)も考えます。
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銀行の通常預金に預けた場合(利率0.001%)
オレンジ色の総額が青色の元金よりも上部にあればそれだけ利息がたくさん得られたということを示しています。
ご覧の通り、二つの線はほぼ一致しておりほとんど利息はないことがわかりますね...
返済後の残高は182円(利息134円+元金48円)です。銀行預金低すぎ(涙)
ちなみに定期預金にすると利息は0.002%と倍になりますが残高は268円です。
楽天銀行では楽天証券と口座提携サービスに登録するだけで金利が0.1%になるというものです。普通預金するならこちらのほうがオトクですね。
グラフを見ると先ほどよりもオレンジ色の線(総額)が上部にあります。つまり利息が大きいことを示しています。
返済後の残高は13,622円(利息13,574円+元金48円)です。
銀行の普通預金より圧倒的にお金を生み出すことができました。
しかし14年かけて1,3000円しか増えないのは迫力に欠けますね。
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株や投資信託で利回り4%で運用する
資産運用として半月に2%(税引後)で運用できた場合を考えます。権利確定日を3月末9月末、支払日を6月12月として計算しました。
返済後の残高は467,772円(利息467,724円+元金48円)です。
返済後も46万円も手元にのこっているわけです。運用することの凄さがわかりますでしょうか。
ただし株式相場は銀行の普通預金とは異なり、ボラティリティ(変動)が大きいので常に同じ利回りで運用できるとは限りませんが、正しい知識を身に着けることで損するリスクを抑えることができると思います。
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まとめ
奨学金を借りるのは自由ですが、何に使うか、どう返済するかを考えないと社会的な信用を損なう危険もあります。しかし、制度を上手く利用することで人生を豊かにできるものだと私は考えています。
私個人のオススメとしては、
です。資産運用はリスクがあり、大きく金額が動きます。それに耐えられるか、耐えられないかなど、人によって個人差があるので強くは勧められません。
奨学金をより効率的に使ってよい未来を歩みましょう!